オタクの力をナメるなよ?――『冴えない彼女の育てかた』第11話「伏線回収準備よし」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:福田道生 演出:川越崇弘 作画監督:吉井弘幸、栗原優 原作範囲:第4巻第4章~第6章 えっと、第12話の感想は明日で。全話通しての感想は明後日な! そんなこんなで第11話です。原作把握しているとどうしても倫也の思惑が全て分かっ…

梅津作画の臨界点――梅津泰臣監督作品『A KITE』

OVA

親を殺され、警察の鑑識をしている赤井という男に引き取られた少女・砂羽は殺人請負人として殺人術を教えられていた。親殺しに復讐することを目的に殺人請負人をしている砂羽は、自身の親を殺した犯人が赤井とその同業者である蟹江だと知っていたがまだ行動…

セカイのカタチ・アイのカタチ――山本寛監督作品『私の優しくない先輩』

鹿児島県沖に浮かぶ小さな島に転校してきた西表耶麻子は南愛治先輩のことが大好きだった。ただ、その想いを自分から告げることは出来ず、ずっと想いを秘めたままだった。しかしある時、暑苦しくてウザくてこの島で唯一優しくない不破風和先輩にその想いを知…

サブカルオタクで悪かったな――映画『モテキ』

31歳で金・夢・彼女なしの藤本幸世はニュースサイトのライターをしているがプライベートは充実していなかった。だが、いきなりTwitterで見知らぬ同業者からリプライされ意気投合。最初はただのおっさんだと思っていたが相手は美女だった。この出会いから幸世…

これが現実ってやつなんだよ!――『冴えない彼女の育てかた』第10話「思い出とテコ入れのメロディ」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:室井ふみえ 演出:高島大輔 作画監督:中西和也、野田康行 原作範囲:第4巻プロローグ~第3章 なんでかなぁ~、って感じも有りますが基本的には面白かったです。というか精神的に辛かった。たぶん、オタクの人(僕含め)って自分が…

拙い誕プレの送りかた――『冴えカノ』澤村・スペンサー・英梨々誕生祭用SS

桜が芽吹くのと同時に、だんだん陽の昇る時間も伸びてきて暖かい日差しが窓から入り込むようになった三月中旬の放課後。blessing softwareとしての活動も“諸般の事情”のために最近は行っておらず、単に俺こと安芸倫也の部屋に加藤恵がゲームをしにきては帰る…

二次元というフィルターのリアル――『花とアリス殺人事件』

自称・最強の転校生の有栖川徹子は転入先のクラスで噂に巻き込まれる。それは「去年在籍したユダという先輩が四人のユダの妻に毒を盛られ死んだ」という殺人事件の噂だった。その噂によって「結界を破った」とされたアリスはその噂に興味を持ち、不登校中で…

それが女優!――佐々木敦規演出作品『幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦』

週末ヒロイン・ももいろクローバーZが初めて女優としてメンバー全員が集うこととなった映画『幕が上がる』。そのはじまりから終わりまでをカメラが見つめていた約400時間を編集したドキュメンタリー作品。『幕が上がる』という作品が素晴らしかったので、本…

2015年2月に観た映画・OVAの記録

①吉原正行監督『マイの魔法と家庭の日』(2011) 富山県が制定している家庭の日をモデルに、ある家庭での絆と長男の進路、長女の成長、そして母の出産を描いた物語。ちなみにマイの魔法とは思いやりの心を意味していて、その心が家庭の日を中心に育まれてい…

これぞ日本脚本家見本市――TVアニメ『うーさーのその日暮らし 夢幻編』についての備忘録

今日、うーさーこと宇佐義大さんが呟いた情報は全俺を驚愕させました。そう、あの超絶クオリティ不条理ショートアニメ『うーさーのその日暮らし』が帰ってくるというのです。 監督は『楽園追放』でCGアニメを手掛けた木下誠一、ではなく水島精二監督。もとも…

Lilyの花は気高くBlooming!――『冴えない彼女の育てかた』第9話「八年ぶりの個別ルート」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:小川優樹 作画監督:田村里美、長坂慶太 原作範囲:第3巻第5章~エピローグその2 さて、遂にやって参りました、英梨々回クライマックスでございます。 もう言うことはないですね、オープニングアバンで八年前…

フィクションを産む才能と努力と葛藤――天津向『芸人ディスティネーション』

今年に入ってからばたっと本が読めなくなりまして、先月なんて本当に酷かったんです(1月が42冊、2月は6冊)。というのも、某ライトノベルに猛烈にハマりまして、そればかり読み直していたから、という事情があるのですが、他の本に面白さを見出せなくなって…

『ゆるゆり』第3期の脚本家が深見真な件――銃器・拷問・レズビアン

深見真作品映像化リスト 『PSYCHO‐PASS』(2012~13、脚本) 『ちょっとかわいいアイアンメイデン』(2014、原作) 『劇場版PSYCHO‐PASS』(2015、脚本) 『ゆるゆり(第3期)』(未定、脚本)←New! 当方『ゆるゆり』も、深見真作品も大好きなオタクです。で…

『冴えない彼女の育てかた』第8話「当て馬トラウマ回想モード」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:詩村宏明 演出:曽我準 作画監督:仁井学、荒川絵里花、梅津茜 原作範囲:第3巻第3章~第4章 ロリ英梨々。アバンがそこから始まって現在の緑ジャージ英梨々へと変化する。この二つの時代の変化により、英梨々の心境の変化というか…

妄想癖が止まらない!――『冴えない彼女の育てかた』Blu-ray&DVD第1巻

遂に発売です。というか、もう購入してきまして一通り確認しました。これから何周も何十周も観るんでしょうけど、その点色褪せることのないBlu-ray Diskには感謝せねばなりません。本当に助かっております。 さて、TVアニメ『冴えない彼女の育てかた』第1巻…

『幕が上がる』の幕が上がる――青春/魂の発露

富士ヶ丘高校に通う高橋さおりたち三年生三人は先輩の卒業後、自分たちが最上級生として演劇部を率いることになる。方向を考えている新学期、美術教師として赴任した吉岡美佐子が現れる。彼女は学生時代に学生演劇の女王として名を馳せていた。そこへ県内随…

『冴えない彼女の育てかた』第7話「敵か味方か新キャラか」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:こでらかつゆき 演出:徳本善信 作画監督:清水博幸 原作範囲:第3巻プロローグ~第2章、FD第1.5話 もう死んでもいい。そう思える神回でした。 というのも、エピソードの内容/尺的にも絶対映像化しないだろうと感じていた『冴えな…

この「日本国民総芸人化」の世の中で――『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』

『ツイッターってラジオだ!』より数年ぶりにニッポン放送・吉田尚記アナウンサーの単著が刊行された。今回はコミュ障と呼ばれている人間がいかに喋れるようになったか、という経験に基づきながらコミュニケーションについて考える、という内容のニコ生を文…

想定未来/立喰の遺伝子――『THE NEXT GENERATION パトレイバー 第一章』

旧世紀に使用された汎用人型作業機・レイバーが過去のものとなった2013年、今尚存続する警視庁のレイバー部隊である第二小隊の三代目は無能と呼ばれお台場の僻地で勤務していた。彼らは初代から受け継がれた「AV-98式・イングラム」に搭乗し、レイバー亡き時…

これが明日のリアル――『東京マグニチュード8.0』

2012年夏に東京湾北部を震源とするマグニチュード8.0の地震が発生したことを想定して、発生当時お台場にいた姉弟と出会った女性の3人が自宅のある世田谷・三軒茶屋を目指すシュミレーション作品。2009年にフジテレビ「ノイタミナ」で放送され、2011年の東日…

これじゃあたしの入り込むスキマなんて、どこにもないじゃない――『冴えない彼女の育てかた』第6話「二人の夜の選択肢」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:亀井幹太 演出:川越崇弘 作画監督:吉井弘幸 原作範囲:第2巻第6章~エピローグ 泣きました。二回観て二回泣きました。 というのも、一度でも創作に手を出した生産型オタクならこの話数で語られるクリエイター魂というかクリエイ…

ソフトバンクが「アニメ放題」なるサービスを始めたのだけれど+Ust告知

当方、ソフトバンクユーザーですので加入しました。ただ、ドコモの「dアニメストア」やauの「アニメパス」と比べてみるといろいろ思う所があります。今はこのサービスを使って『東京マグニチュード8.0』と『CLANNAD』を観ているのですが、こんな涙腺崩壊アニ…

講談社BOXはもうお亡くなりになったのだ

ラノベの新刊を探しに書店を巡ることをここ数年続けているのですが、最近〈物語〉シリーズ以外の講談社BOXって出てたっけ、とふと思いまして、調べてみるともう銀箱の講談社BOXが最後に刊行されたのは〈物語〉シリーズを除くと去年の8月なんですね。柳内たく…

『冴えカノ』澤村・スペンサー・英梨々について語ろう②

えりりんかわいいよえりりん。 昨日の記事では『冴えない彼女の育てかた』に登場する(僕の中では)メインヒロインである澤村・スペンサー・英梨々ちゃんが「健気」の一言には収まらない魅力があるということを書きました。はい、正常運転ですね。 その記事…

『冴えカノ』澤村・スペンサー・英梨々について語ろう①

えりりんかわいいよえりりん。『冴えない彼女の育てかた』に登場する(僕の中では)メインヒロインである澤村・スペンサー・英梨々ちゃんですけれども、ホントかわいいですね。 さて、ここで何故、ブログという場所で改めて澤村・スペンサー・英梨々について…

『冴えない彼女の育てかた』聖地巡礼+キュアメイドカフェ冴えカノコラボ

今日の記事は『冴えカノ』の聖地巡礼と、コラボメニューを展開中のキュアメイドカフェの話です。今日はアニメ『冴えない彼女の育てかた』の舞台である東京都豊島区に足を運んできました。 まず、第1話以降に登場する、主人公・安芸倫也とヒロイン・加藤恵が…

加藤さんとデートじゃないの!――『冴えない彼女の育てかた』第5話「すれ違いのデートポイント」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:神戸守 演出:岩月甚 作画監督:栗原優 原作範囲:第2巻第1章途中~第5章 えりりんかわいいですね、えりりん。 第2巻は基本的に霞ヶ丘詩羽メイン回ですので、えりりんはどうしても不遇な役回りとなってしまいます。例えば、霞ヶ丘…

たまには本気で好きなラノベを3つ紹介してみる③

①野﨑まど『【映】アムリタ』(2009) 自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂されるつかみどころのない性格の女性、最原最早の監督作品だった。最初はその天才という呼び名に半信半疑だったものの、二見は彼女のコンテを…

3DCGメカを媒体とした心理ゲームーー『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC』

海面が上昇し、第二次大戦の軍艦たちを模しながらも意思をもったメンタルモデルと呼ばれる人型の実像を持った霧の艦隊が人類の敵として現れた近未来を舞台に、士官生の千早群像が霧の艦隊の中でも味方となったイ401(イオナ)らや仲間と共に戦いの中に身を投…

たまには本気で好きなラノベを3つ紹介してみる②

①『アニソンの神様』(2012) 「はじめまして! エヴァ・ワグナーです。一緒にアニソンバンド、やりませんか?」――アニソン好きが高じて、ドイツから日本へとやってきた少女、エヴァ。彼女の夢は、アニソンの聖地・日本でアニソンバンドを組むこと。今、その夢…