『響け!ユーフォニアム』アニメ化に見る京都アニメーションと吹奏楽についての雑記

 どうも、元吹奏楽部員の羽海野です。

 ということでTVアニメ化が発表されました『響け!ユーフォニアム』ですが原作小説を現在読書中です。吹奏楽もの、というジャンルはオーケストラものに比べてニッチな分野ですので、細部まで気を配らないと結構な数の経験者がアンチになるんじゃないかなぁ、と感じながら読み始めました。

 本作の主人公・黄前久美子はユーフォニアム奏者です。そして友人たちはチューバ、コントラバス、と低音パートに所属するわけです。僕はチューバ奏者で、たまにユーフォニアムも吹くといったポジションでしたので、主人公や友人たちに感情移入をしながら読んでいます。結構リアルに描かれていて面白いです(現在134ページ)。ただ、僕のいたところではユーフォニアムではなくユーフォニウム(ユーフォ)と呼んでいたり、チューニングはFではなくB♭(ベーフラ)だったり、と細部の違いはあります。まぁ、当然です。

 もともとこの小説の存在は知っていましたし、TVアニメ化、ということも知っていたのですが一応知っているジャンルですし、中途半端な知識で読んでも違いに引っかかるだけだ、とスルーしていまして。どうせfeel.とかそのあたりでアニメ化だろ、と高をくくっていたら京都アニメーションに決まったんですよ制作会社が。

 よりによって今の京都アニメーションですよ、しかも『中二病でも恋がしたい!』の石原立也監督・花田十輝構成コンビ。『アニバタ Vol.6』に寄稿した拙論に詳しいんですが、『中二恋』は本当に原作の良さを蔑ろにした駄作だと思っているわけです。中二病という題材を扱うならば原作のように少人数でクラス内の描写をきちんと描いてヒエラルキーを構築しなければその境遇が伝わらないわけでして。そんな状態の京アニで本作をやられる、となると原作と異なる展開になる、ことは自明。購入して読み進めている次第になります。

 そんなアニメ化が伝えられてからというもの、Twitterのタイムラインによく上がるようになった文面が「吹奏楽ものはヤマカンがやりたいんだろう」とかそういう文面です。確かに山本寛監督は吹奏楽の知識も多大にありますし、自身で『アインザッツ』という小説を書き下ろすほどです(あと原案だけですが『真夜中のスーパームーン』という小説も)。『フラクタル』でも吹奏楽作曲家の鹿野草平さんを劇伴に招いていますし、言いたいことは分かります。

 しかし、『アインザッツ』は懐古にしかなっていなくて、少年少女たち=演奏者にスポットライトが当てられていなかったように感じました。途中にいきなりシナリオ調の一篇も挿入されますし、正直面白くなかったです(個人の感想です)。

 なので、もしヤマカンが監督したとしてもダメでしたでしょうし、本作のアニメ化において唯一の希望になる人といえばシリーズ演出を担当する山田尚子監督、その人しかないでしょう。『けいおん!』『たまこまーけっと』と過去作品で少年少女に焦点を当てて描き切ったその手腕を信じるしかない。

 最近の京都アニメーション作品、とりわけ原作ものは殆どが酷い有様になっているので、本作はその汚名を挽回できるように、信じています。