低音にスポットライトを!――京アニ新作『響け!ユーフォニアム』

 『響け!ユーフォニアム』ですけれども、原作小説を読み終えまして、ようやく言葉に出来そうになりましたのでここに書き連ねたいと思います。

 前回書いた(『響け!ユーフォニアム』アニメ化に見る京都アニメーションと吹奏楽についての雑記 - 津々浦々日々上々)こちらは、読み途中の雑記でしたので、本記事が本番ということで……。

 

 さて、主人公たちがユーフォニアム(僕のいた吹奏楽部ではユーフォニウムでした)、チューバ、コントラバス、と低音パートに在籍している本作ですが、演奏パートはそれ故に地味になるのかなぁ、という予感があります。

 というのも、僕自身がチューバを吹いていた当時の経験談として、低音パートは基本的に伴奏――縁の下の力持ち的存在ですので、主旋律が来ないんですね。在籍していた三年間で主旋律が来たのは一回だけ、しかも二小節、といった感じですので演奏パートは基本的に低音をメインで描いては華が無いように思えますw

 演奏パートが描かれたアニメ作品に『のだめカンタービレ』『坂道のアポロン』『四月は君の嘘』などがありますが、『のだめ』は指揮者とピアニストが主人公である上に主要キャラクターもコンマスだったりファーストだったりと目立つポジションが多かったですし、『アポロン』はピアノとドラムがメインのジャズ。第七話のデュオ演奏が一番の見せ所だったといえる作品です。『君嘘』もピアニストとヴァイオリニストがメインですので、本当の意味で低音パートをメインで描くのは初なのか、と感じています。

 それだけに低音パートって華が無いんです。本作では勿論吹奏楽コンクールの話が描かれますが、吹奏楽コンクール課題曲でチューバに主旋律が回ってきたことって二〇一〇年の課題曲Ⅴ「吹奏楽のためのスケルツォ 第二番 夏」が数十年ぶりだったように記憶していますので……(確かユーフォニウムは何かしらでありました)。更に、A編成(50~55人編成)でコンクールに出るとするならば低音パートが埋もれることは間違いありません。ただ一つ言えるとすればトロンボーンとかクラリネットにも焦点の当たるキャラクターが原作ママならいますので、そこに焦点が当たる可能性がなくはない。

 原作小説を読んだ感想としては、あるなぁ50%、ないない30%、そうあってほしい10%、って感じでしたので(ねぇ最後の10%は⁉)、京都アニメーションがいかに吹奏楽に切り込むか期待しています。

 

PS

 なーるさんが前回の『響け!』記事に対抗して上げてくださったので勝手に宣伝。


京アニ新作における、吹奏楽モノのアニメ化雑観。 - narunaru_narunaの日記

 原作通りならブラスバンドシーンもあるので、その影響でPVの劇伴はジャズなのかなぁ、と感じています。まだ課題曲と自由曲については聞いていないので何も言えません!ただ自由曲を「~セレクション」にするあたり分かってるなぁ!と思いました!