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『SHIROBAKO』とか『冴えない彼女の育てかた』の主人公たちが作る自主制作作品についての雑記

 『SHIROBAKO』の安原絵麻――えまちゃんが尊敬するアニメーターがなにわアニメーションの堀内さんと言っているあたり、たぶんモデルは京都アニメーション堀口悠紀子さんですから、『しあわせってなぁに?』が元ネタか、と誰かが言っていた覚えがありますが今回の話はそこが論点ではない。

 『SHIROBAKO』の劇中に登場する『神仏混淆 七福陣』のように自主制作作品だと、クリエイター(この場合上山高校アニメーション同好会の五人です)の思想と作風がモロに出てしまう、ある意味我の強い作品になってしまいます。というか自主制作作品にはアニメ、ドラマ、ボイスドラマとどの媒体でも言えることだと思いますが……。だから自分の個性が強すぎて評価されない、面白くない作品も多々ありますし、意味不明になってしまうこともあります。かくいう僕も自主制作でボイスドラマを制作していますが、意味不明とか言われることもあったのでそこは直さなければ、と反省しています。

 『冴えない彼女の育てかた』ではこれから倫理君たちが自身のサークルにおいて恵をメインヒロインとした同人ゲームを制作していきます。これもプロデューサーである倫理君の思想と霞ヶ丘詩羽の作風、えりりんの超絶技巧イラストが混ざり合った我の強い作品に仕上がることにアニメ版でもなるんでしょうが、ここでも彼らの思想は誰にも邪魔されず自分たちで自己完結し答えを出していきます。

 自主制作と商業作品の違いは実制作を担当する部署だけで完結するか、それ以外――スポンサーや放送局から意見・指示が出されるか、だと思っています。僕自身、『オーブンレンジは振り向かない untouchable』というボイスドラマ作品の構成・脚本を担当した際に、原作者や出版社から意見やプロットを頂いて、「あぁ自由には出来ない縛りプレイか」と思いつつ書いたものです、面白かったけど!これは同人作品でありながらほぼ原作者のプロット通りに書いていますので半公式作品だと個人的には思っているのですが、自主制作とは全く違う制作方法でした。

『オーブンレンジは振り向かない untouchable』ep.1 青い薔薇の下で ‐ ニコニコ動画:GINZA

 ですので、自主制作は商業作品より作家性に溢れていますし、同じ尺で測れないと思うのです。例えば山本蒼美監督は自主制作作品で脚光を浴び、2013年に満を持して『メガネブ!』で商業作品監督デビューしましたが、失敗。設定とかは面白かったんですがいかんせん話が広がらない。山本監督の作風は男子同士の淡い恋模様とセカイの創生だと思っているので『セカイ系セカイ論』とか『ロボティカ*ロボティクス』とか好きなんですけど流石についていけなかった。最新作は再び自主制作の〈この男。〉シリーズ第4作となる『この男子、石化に悩んでます。』でこれはBLに特化しすぎたかなぁ、と思いました。新海誠監督や吉浦康裕監督も同じく自主制作出身ですが、それでも作風を維持しているあたりスポンサーもそれを期待しているのかな、と思いますが山本監督のそれを『メガネブ!』のスポンサー陣は理解していなかった、っぽい?

自主制作アニメ「セカイ系セカイ論」 - YouTube

 閑話休題。『SHIROBAKO』や『冴えカノ』で描かれる自主制作作品ですが、それは主人公たちの思いがつまったセカイだということです。今後彼らがどのような“商業の波”に晒されるによって、『SHIROBAKO』では再び彼女らが集結し作品を制作したとき(『第三飛行少女隊』になるんでしょうか?)、『冴えカノ』では冬コミの完成後に、どのような次の作品になるかが変わってゆく。それも彼女らの心境の変化として楽しみにしたいと思います。以上雑記、終了!