超絶技巧3DCGと板野サーカス――『楽園追放 Expelled from Paradise』+1/29UST予告

 昨日あれだけの記事書いておいて今日は虚淵脚本作品の話かよ、と思われるかもしれませんが、今日初めて鑑賞したその衝撃を書き留めておきたいので勘弁してくださいw 水島精二監督が初めて3DCGで挑んだ劇場作品『楽園追放 Expelled from Paradise』ですが、劇場公開が全国十数館ということで地方在住の僕は観に行けず、冬コミで上京した際にも時間が合わず断念していまして、ようやく鑑賞しました。

 観たかった理由は一重に「セルルック3DCGの劇場映画」ということに尽きます。僕の知り合いには3DCGアニメを毛嫌いする人もいるのですが、『蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ』や『シドニアの騎士』のようにメカを3DCGで動かしつつも、ジャパニメーションとして違和感なく構築している作品を過去に観ていまして、その3DCGをセルルックにした上で板野サーカスを仕掛けてくると知って期待しまくりでした。

 さて、観た後の感想ですが、最高でした。

 主人公・アンジェラの可愛さはさて置いても、冒頭のフロンティアセッター侵入から最終シーンへ至るまでのSF展開とバトルシーンが素晴らしいとしか形容できませんでした。貧困な語彙力で申し訳無いんですが、主題歌の使用加減が絶妙ですし、戦闘描写は手に汗握るものがありましたし。

 ネタバレは回避の方向で行きたいのですが、世界の造形が上手かったなぁ、と思います。ディーヴァという電脳空間と地球というリアルワールド、データと肉体という端末の違いを分かりやすく描いて、アンジェラたち3人の状況や心情を表しているんだなぁ、と感心しました(何様⁉)。

 水島監督作品って『夏色キセキ』以来――ちゃんと観たのであれば『劇場鋼の錬金術師 シャンバラを往く者』以来なんですが、どれも世界の造形やキャラクターの心情の説明は上手かったですし、そこを引き出した虚淵さんの脚本と斎藤さんのキャラデザが上手くマッチしていたなぁ、と思います。昨日あれだけのことを言ったのでスタッフ総合的な感想なんですが、野口プロデューサーが『神林長平トリビュート』収録の「敵は海賊」を読んでオファーしたということで、SF作品臭強くて個人的に大好きな作品となりました。あ、もちろん『神林長平トリビュート』はSF読みとして単行本版を四年ほど前に読了しております。

 そんな『楽園追放』、まだいろいろありそうなのでBD購入して脚本とパンフレット読みながら色々考察したいと思います。丁度、参加した同人誌『アニメクリティーク』さんから頂いた『アニメクリティーク Vol.2.1 楽園追放 最速☆レビュー』もあるので……

 

 さて、告知です。

 明くる1/29の23:00~Ustreamにてヒサゴプランさんと一緒に『劇場版 PSYCHO-PASS』などの作品について語り合う予定です。URLなど詳しくは僕のTwitterにて。よろしくお願いします!