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たまには本気で好きなラノベを3つ紹介してみる②

小説

①『アニソンの神様』(2012)

「はじめまして! エヴァ・ワグナーです。一緒にアニソンバンド、やりませんか?」――アニソン好きが高じて、ドイツから日本へとやってきた少女、エヴァ。彼女の夢は、アニソンの聖地・日本でアニソンバンドを組むこと。今、その夢が動きだす――。第1回「このラノ」大賞作家が描く、音楽と青春。「CHA-LA HEAD-CHA-LA」から「太陽曰く燃えよカオス」まで、すべてのアニソン好きに贈る、友情物語!(このライトノベルがすごい!文庫版より)


 水樹奈々紅白歌合戦に出場するようになり早数年。昨年末も出場しましたが、アニメソングという大きな括りは未だに浸透していないように思えます。μ’sMusic Japan出演もありますけど、まぁそれは置いておいて。広義な意味ではアニメに使用された楽曲はアニメソングになる訳ですが、ポルノグラフティ「メリッサ」(『鋼の錬金術師』OP)やゴールデンボンバー「女々しくて」(『イクシオンサーガDT』挿入歌)は一般のJ-POPと何ら変わりのないように見受けられ所謂電波ソングは白い目で見られるのです(近年は前山田健一ヒャダインももいろクローバーZの活躍もあってかお茶の間に進出するようになりましたが)。
 本書ではエヴァという少女が初めて日本という大地に立ちアニソンバンドを組みます。Girls Dead Monster放課後ティータイムという前例もあり、ガールズバンドはアニメの世界では大変な人気を収めていますが、小説という媒体で音楽を表すのは至難の業。それをいとも簡単に分かりやすく描き切った大泉さんは素晴らしい!流石大賞作家です。
 この小説を読む際は是非使用楽曲とともにお楽しみください。

 

②木本雅彦『声で魅せてよベイビー』(2007)

“孤高のハッカー”を名乗る高校生・広野は、尊敬する“おっちゃん”のOSマニュアルを入手するため、同人誌即売会に乗り込んだ。場内の熱気に圧倒されつつも何とか目的を果たした広野。だがしかし、そんな彼の前に自称“腐女子”の声優志望少女・沙奈歌が現われ、しかも広野は、成り行きで彼女の恋の“エチュード”の相手をすることに!はたして二人は“本番アリ”な関係になれるのか!?恋と声に身悶えする、第8回えんため大賞佳作受賞の三次元激LOVEミュージカル、ついに開演!!(ファミ通文庫版より)

 腐女子と聞くとダメな感じしかしない、と言われることがありますが果たしてそうでしょうか。彼女らには無限の可能性が秘められていると思うのです。今作の沙奈歌もその一人でしょう。広野にだんだん惹かれていくその様は、本当に微笑ましいものです。しかし、実際に腐っている人間は他にいるかもですけれど……。
 木本先生とはある機会でお話しさせて頂き、その中に広がる世界の広さを窺えました。広野はハッカーとして、沙奈歌は声優志望少女として。おっちゃんはおっちゃんとして。彼らの物語は始まったばかりなのです。

 

泉和良『エレGY』(2008)

「君のパンツ姿の写真、求む!」失恋したばかりのしがないフリーウェアゲーム作家「僕」がネットの海で出会ってしまった魅力的で壊れかけの女子高生、「エレGY」。彼女には誰にも触れられぬ“秘密”があった……。破天荒に加速する“運命の恋”を天性のリズム感で瑞々しく描ききった泉和良の記念碑的デビュー作。この恋、きっと応援したくなる!(星海社文庫版より)

 ニコニコ動画をこよなく愛する“ニコ厨”に告ぐ。読めば解る。
 さて、本作ですが秋葉系のポップな恋愛小説です。ざっくり言えばこれだけですが、そんな一筋で行く小説を語りたい訳ではありません。無論一筋縄では行かない理由があるからこそ語るのです。まず、滝本竜彦のように主人公がニートという最悪な状態から開始。そこから恋愛に発展していく展開は流石としか言いようがありません。天晴。
 フリーゲームというと何だかちっぽけな存在に思えてしまいますが、それが続くのも熱心なファンがいるから。それはどの業界も同じではありますが、フリーゲームのように元が無料である業界はどれよりも熱心なんです。ですから、ファンの方も熱が入り、クリエイターも火が入る。そういう中で怠惰していく存在、それが今作の主人公なのです。
 “ニコニコ動画”と“電波系”好きに贈る甘く切ないポップ&ラブ!

エレGY (星海社文庫)

エレGY (星海社文庫)