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想定未来/立喰の遺伝子――『THE NEXT GENERATION パトレイバー 第一章』

 旧世紀に使用された汎用人型作業機・レイバーが過去のものとなった2013年、今尚存続する警視庁のレイバー部隊である第二小隊の三代目は無能と呼ばれお台場の僻地で勤務していた。彼らは初代から受け継がれた「AV-98式・イングラム」に搭乗し、レイバー亡き時代の犯罪や事件に立ち向かっていく。

 押井守総監督が自らメガホンを取ってパトレイバーを現代にリライトするという企画で、実際に実機を制作するという無茶を仕出かしたと知っていたので初代第二小隊を観ているものとして興味を持ち鑑賞しました。

 第一章はエピソード0とエピソード1の2編で構成されていて、エピソード0「栄光の特車二課」は整備班長・チバシゲオの目線から初代や二代目(一言触れただけだけれども)と三代目の比較をしながら現状の第二小隊を説明するという、まぁ正直必要ないけどチバシゲオくらいしか初代からの繋がりはないから仕方ないね、なフィルムになっていました。とはいえチバシゲオ役を千葉繁さんが続けて演じるのは嬉しいものです。
 で、続いてエピソード1「三代目出動せよ!」では三代目が宿直を行いながら誤報ばかりの中で今の仕事についてどういう認識を持って働いているか、という云わばプロローグ的構成になっていて、いかに無能の三代目が無能たるや、ということを押井総監督が自ら監督脚本を担当することで上手く描き切っている印象を受けました。キャラクターも初代を踏襲しながら、俳優が演じることで更に人間味が増し、レイバー犯罪というものが「旧世紀から見た未来」だった初代、「追いついてしまった過去から見たフィクションの未来」たる二代目、「未来を追い越した現代」を描いた三代目にしてリアルな未来を描くことに成功している、と感じました。要するに三池崇史監督の『ケータイ捜査官7』に似た想定未来を現代劇に押し込めたフィクションになっていて、イヤにメッセージを詰め込んだ『機動警察パトレイバー THE MOVIE』や『機動警察パトレイバー2 the MOVIE』みたいな初代の作品から異なった作品感を受けます(もちろんオススメするほどに初代の作品も好きですけどね?)。そして、何より立喰という要素がこれでもか、と描かれる本作。それでこそ押井だな!と個人的には絶賛です。
 まだこのシリーズは始まったばかりなので、GWに公開される長編劇場版の前には全作観たいと思っています。現時点ではこれくらいに控えて。