2015年2月に観た映画・OVAの記録

①吉原正行監督『マイの魔法と家庭の日』(2011)

 富山県が制定している家庭の日をモデルに、ある家庭での絆と長男の進路、長女の成長、そして母の出産を描いた物語。ちなみにマイの魔法とは思いやりの心を意味していて、その心が家庭の日を中心に育まれていくさまを描いています。

 吉原正行監督作品としては先に『有頂天家族』という家族に纏わる物語を観ているのですが向こうは狸一家でこちらは人間。描き方はもちろん違いますけれど、キャラクターデザインがどちらも個性的で面白い。そのキャラクターデザインでありながら現実に足のついたハートフルストーリーに仕上げてくるあたりは素晴らしいと思いました。
 ただ、同時期に『万能野菜ニンニンマン』を制作していたり富山県の小学校にDVDを配布する関係か対象年齢は引く、長男・光の進路の件や独り言の描写を掘り下げなかったことが個人的には悔やまれるところです。ああいうシーンでは進路の悩みなどは周りの心理にも強く影響するのでそこは掘り下げて欲しかった。とはいえ長女・マイを主人公にして対象年齢を下げつつハートフルストーリーを構成するためにはこれが最善のように思えますし微妙なところです。
 主題歌のeufoniusの楽曲も作品とマッチしていて素晴らしいです、が例の事件を思い出さずにはいられないのでそこも悔やまれます。作品には関係ないけどね。
 P.A.WORKSは名作を多数制作しているスタジオなので、その中で上位になることはないとはいえ、子供向けとしては良い出来と言える一本でした。
 

②吉田浩太監督『ちょっとかわいいアイアンメイデン』(2014)

 

岸誠二監督『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC』(2015)

 押井守総監督・田口清隆監督『THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章』(2014)

 

中村健治シリーズディレクター『怪 ~Ayakashi~ 化猫』(2006)

 坂井家の婚礼の日に薬売りが現れ、彼は婚礼の儀中に死去した娘・真央の死因はモノノ怪にあると指摘。そしてその死因とモノノ怪・化猫に纏わる物語が描かれるオムニバス作品の内一編。全編に渡って橋本敬史キャラクターデザインによる浮世絵タッチで世界観が構成されていて、独特の雰囲気が漂っていた。中村健治初監督作品である本作は東映アニメーションらしからぬタッチでオリジナルの怪談が紡がれる。

 中村作品の特徴としてエフェクトに特化していて「観て気持ち良い作画」を作ることが挙げられるのだが、今作も浮世絵という江戸の色彩とエフェクトアニメーションという現代の技術が合わさっていて、またその感覚を味わえた。これは中村監督というより橋本敬史氏について言えることかもしれないが、絶妙なタイミングで気持ち良い作画を描くというあたり「アニメがアニメである意義」を感じる作品になっている。物語自体はまだ深く、あまり詳細は語られない。しかし、続くTVシリーズ『モノノ怪』で語らるのだろう、と踏んでいる(まだ未見)。

 個人的には作画の面が素晴らしいかったと感じるだけに、彼らが東映アニメーションを抜けたために今の『ワールドトリガー』のような作画になってしまうのかなぁ、と思ってしまった。ちなみに中村監督はタツノコプロに移り『ガッチャマンクラウズ インサイト』を、橋本氏も同じくタツノコプロに所属し『艦これ -艦隊これくしょん-』『暗殺教室』に参加している。どれも作画面が良いのでいっそうその考えが増す。あ、艦これは戦闘エフェクトの話しかしてないので、それ以外は割愛。

 しかし、これは勧められる前に観ておくべきだったように感じた。名作である。

 

⑥荒巻伸志監督『evangelion:Another Impact(Confidental)』(2015)

 3DCGで描かれる新たなるエヴァの恐怖。荒巻作品は初めてなんですけど、リアルに、かつアニメらしく素晴らしい構図で描いた傑作だと思いました。この尺、このクオリティだからこそ完成している、CGエヴァの臨界点。