Good Night,And Have A Nice Dream――『乱歩奇譚 Game of Laplace』第1話「人間椅子(前編)」

脚本:上江洲誠 絵コンテ:平井義通 演出:いとがしんたろー 作画監督山形孝二、幸野浩二

出典:『人間椅子江戸川乱歩全集第1巻「屋根裏の散歩者」(光文社文庫)所収

 小学生の頃、『名探偵コナン』を起点としてコナン・ドイルを読み漁り、そのまま江戸川乱歩へ。中学校に進学してからは、はやみねかおる綾辻行人メフィスト賞系作家、とミステリとSF好きを自称してここまで生きてきました。

 まさか、ノイタミナ枠で「赤い夢」の続きが観れるとは! しかも、岸誠二×上江洲誠の黄金コンビですよ、期待しないはずがない。とはいっても、岸監督に本作の企画が行ったのが昨年11月らしく、たぶん誰かが降りてフジテレビ的に頼れたのが『暗殺教室』で関わっていた岸監督で、そこからいつものグループで制作した、と予想していたためクオリティどうかな、とちょっと危惧はしていたんですが……。杞憂に終わりました。

 そう、凄く面白いんですよ! 完成されてる。歪な世界と退屈な少年たちの宴が。

 今回のストーリーでは、クラス担任が殺されその罪を着せられたコバヤシ少年が、探偵のアケチのもとで助手を志願し、その事件の真相を探ろうとするパートの序章が描かれました。いやぁ、いい感じに伏線とヒントが出ていて気持ちいい。ネタバレですけど、「先生があんな形にされちゃって」とコバヤシとハシバに言った矢作紗友里さんが演じた女子生徒は報道規制が敷かれた中でバラバラ殺人だったことは分かるにしろ、「形を詳細に知っている」わけなので僕は怪しいとは思っています。しかし、コバヤシ少年は興味持ってないんですよね、どうなるか。

 江戸川乱歩の小説って魅惑的で独特の世界が構築されているんですけど、それが現代に翻案されるとこうなるのか! という新鮮な驚きと合わせて、赤と黒を基調に色彩が構築されているように思えたので、結構面白いなぁ、と。やはり「赤い夢」の続きが観れるのか! これはいい……いい……。

 とりあえず第2話で明かされないだろう謎としては、「何故宮内庁所属なのか」とか思ってしまいますがいずれ明かされるでしょう、たぶん……。

 あと、エンディングの編曲が江口亮さんってところとかオープニングのテロップとか『UN-GO』っぽいですねぇ。まぁ意識はしてるんでしょうけど、そこといかに差別化していくか楽しみです。加えて、今日正午に『UN-GO』スタッフによる新作『コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~』が発表されたので、そちらも期待せねば……。

 ちなみに、静岡だと第1話の直後に『暗殺教室』最終話で岸アワーでした。渚君のあの描写で吹いてしまったw

 

 そういえば、本作の原作なんですけど、江戸川乱歩は八月に没後50年になるので、たぶんその後に一気に安くなるんですよね……。それまで待機した方が得策、かなぁ……。

江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)

江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)

  • 作者: 江戸川乱歩
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/07/14
  • メディア: 文庫