好きから逃げない――有川浩『倒れるときは前のめり』

 「好きから逃げない」。僕の大好きな言葉です。

 この言葉は『図書館戦争 革命のつばさ』というアニメ映画のキャッチコピーというか、キーワードなのですが、僕は元々この原作と原作者の有川浩さんが大好きでして、この言葉が強く心を射抜いたのです。

 去年の夏コミで頒布したアニメ評論誌『PRANK! Vol.1』ですが、これもこの言葉を実行した結果でした。自分の「好き」に他の人を巻き込んで一冊作るという悪ふざけを実行しているのが本シリーズだったりします。なので言ってしまえばノイタミナ特集も電撃文庫特集も今度のW水島監督特集も、すべて僕の「好き」に他の人を巻き込んで制作するものです。テーマは「好きから逃げない」。ここまで来ると潔いのかもしれません(笑)。

 この考えかたがまたふと頭の中に浮かんだのは、今日発売された有川浩さんのエッセイ集『倒れるときは前のめり』(KADOKAWA 角川書店)を読んでいたからです。ちなみに左手首を捻挫しまして、痛みの中で読んでおりました。身体的にも精神的にも弱ったときにはエッセイ集と笑えるライトノベルが僕の特効薬です。で、そんな本を読んでいたわけですが、僕が純粋に「好き」を追っていた時代のことを思い出すわけです。

 そういえば、あの頃は純粋にどんな本でも読んでたっけ……。

 僕の今を作り上げたのは間違いなく中学時代の読書経験なんですが、あの頃は雑食的に図書室にある本はジャンルを気にせず読み、古本屋で興味のあるタイトルをチョイスし、新刊書店で大好きな作家を追う、ということをしていました。

 高校時代になって読書ペースが落ち、今では云わずもがな。その過程でいつしか「俺TUEEEは読まない」とか「評論ムツカシイ」とか思っちゃうようになってたんですね。

 中学時代の僕が、今の自分を見たらどう思うのか? 本当に恥ずかしい限りです。

 そんな考えを抱き、直近に控えているものに「好き」を詰め込めばいいのだ……! という考えに至っちゃうあたり毒されている。昔、自衛隊三部作に憧れた結果が『星降る世界で』という小説になるわけですが、今読むと恥ずかしいよな、アレ。

 今日、当落発表になりましたサンシャインクリエイション2016 Winterに僕と半座さんの共同サークル・coccon softwareが当選いたしまして、M-12aに配置されました。当日には半座さんの既刊改訂版である『冴えない出会いの進めかた Re-order』(僕は編集担当です)と、新刊『冴えない旋律の奏でかた』、あと『PRANK!』を持っていくつもりです。新刊は前述のとおり、「好き」を詰め込んだものにする予定です。

 あと、「小説家になろう」の方でちゃんとした連載としては4年振りとなる異世界ファンタジーもの『幼なじみさん、剣1本で天下統一とかムリゲーなんですけど。』を連載開始しました。突発的なんですけど、アカナギ・カナタの冒険譚をよろしくお願いします。まぁ、僕の好きなファンタジーってアレとかソレですから、あんな感じに仕上がるんだと思います。書籍化目指して荒野を突っ走っていこう(無謀)。

 まぁ、そんな感じで書評&近況報告&宣伝。たまには息抜きブログ書かなきゃ死ぬわ……。

倒れるときは前のめり

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