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消費型オタクから生産型オタクへの変わりかた ~冴えカノPV~


2015年1月放送アニメ「冴えない彼女の育てかた」PV - YouTube

 まずはこちらをご覧頂こう。TVアニメ『冴えない彼女の育てかた』のPVだ。各キャラクターの個性が解って、いいPVになっていると個人的には感じている、だが。

 キャラ>ストーリーなんだよ、このPVは!ノイタミナのくせに!

「こんな絵が可愛いだけで中身のないラノベを選ぶなんてどうしちゃったのかしらね」と第一弾PVで霞ヶ丘詩羽先輩が仰っているが、ストーリーが入ってこない!

 と、いうことで振り返りながら、今回は主人公・安芸倫也が何故消費型オタクから生産型オタクになろうとしたのかを考えてみようと思う。

 これは俺、安芸倫也が、ひとりの目立たない少女をヒロインにふさわしいキャラとしてプロデュースしつつ、彼女をモデルにしたギャルゲーを製作するまでを描く感動の物がた……「は? なんの取り柄もないくせにいきなりゲーム作ろうとか世間なめてんの?」「俺にはこのたぎる情熱がある! ……あ、握り潰すな! せっかく一晩かけて書き上げた企画書なのに」「表紙しかない企画書書くのにどうして一晩かかるのよ」「11時間寝れば必然的に残った時間はわずかに決まってんだろ」「もうどこから突っ込めばいいのよ……このっ、このぉっ!」……ってことで、メインヒロイン育成コメディはじまります!

丸戸史明冴えない彼女の育てかたKADOKAWA富士見書房〉/富士見ファンタジア文庫/裏表紙より引用)

 この物語は主人公・安芸倫也という消費型オタク――ギャルゲーやアニメBDを買うためにバイトをするようなガチの――が一人の少女と衝撃的な出会いをし、その少女がクラスメートだが冴えないために存在感のなかった少女・加藤恵であると判明。そこから恵を誰もがキュンキュンするようなヒロインにするために一念発起し、幼馴染で金髪ツインテールお嬢様、しかし売れっ子18禁同人作家である澤村・スペンサー・英梨々、学校一の秀才でありながら売れっ子ライトノベル作家である霞ヶ丘詩羽らを巻き込み同人サークルを結成。恵をヒロインに据えたゲームを作る、というものだ。

 ここで重要なことは、倫也が恵と出会ったことでそれまでの“消費型”を投げ去り“生産型”へと回ったということにつきる。これまでにも大量のフィクション、それこそ霞詩子(霞ヶ丘詩羽)の『恋するメトロノーム』をはじめとした感動的作品に感銘を受けていたというのに今まではせいぜい応援ブログ更新に終わっていた。しかし恵の出会いはそれを上回っていたのだから。

 倫也はこれまでも周りに英梨々、詩羽という二人の生産型がいた。英梨々は主に二次創作のエロ同人漫画、詩羽はライトノベル作家。どちらにも手伝っていることがあるので少なからず影響は受けていることは否めない。いつか自分でも作ってみたいという気はあったと思われる(あとで登場するあのキャラクターも創作活動はしていますし、それもあるのかも)。

 そこで、絶対的なヒロイン像――加藤恵と出会い、自分のなかにぼんやりとあったであろう創作イメージが一気に暴発した。この運命的出会いを変化点として生産型オタクへの転身を決めたのだろう。僕自身の場合、身の回りで起きたある事象をきっかけに創作をはじめたので、重要なファクターとしてその恵との出会いがあったことは確かだ。

 まだ第一話放送前なのでこれ以上書くとネタバレになるので自重するが、今放送中の『SHIROBAKO』とは違い、高校生の一消費型オタクが生産型オタクになっていく様を『冴えない彼女の育てかた』では注目して頂きたい。ただ原作ファンとしては『デンキ街の本屋さん』のようにラブコメ>仕事にならないことを望むだけである。