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『幸腹グラフィティ』のメシに食欲そそられないのだけれど!

アニメ 雑記

 表題通り。原作漫画は未読で、現在第2話まで観ていますが食欲がそそられないどころか減少してゆくばかりです。というのも、メシが美味しそうに見えない上に露骨なエロティックな描写があるからなんですけれども。町子リョウと森野きりんの2人が美味しくご飯を食べるシーンは、もちろん心がほっこりしてリョウはご飯を食べる喜びと嬉しさを再確認する、という意味において重要なシーンであると思います。しかし、前述の2つの描写で食欲がそそられないために「重要なシーンなのは分かるけど、面白くない……」な感想を抱きました。

 本作の総監督である新房昭之は、『コゼットの肖像』で組んだアニメーターの鈴木博文と行った対談において次のように述べています。*1

 ――じゃあ、新房監督の料理アニメは、作画中心ですか?

新房 うーん。本来、料理のアニメは料理シーンこそが「絵の見せ場」ですよね作画も大事なんですが、「色指定」と「脚本」の力がもっと重要なのかもしれません。色味と特効で料理を美味しそうに見せるという作品はやってみたいですね。

鈴木 『美味しんぼ』の現場はすごく面白かったですよ。長くのばした鉛筆の芯の腹の部分で紙をこすって、その模様を「魚のうろこ」に見立てていくとか。めちゃくちゃ工夫して作ってました。

新房 『美味しんぼ』の料理は美味しそうでしたね。『料理人味平』みたいな、汗臭い料理漫画もいいけど(笑)、やっぱり美味しそうな料理アニメを作りたいですね。

 新房作品における料理としては『ひだまりスケッチ』における写真との合成演出であったり、『電波女と青春男』におけるエリオが食べるピザ、『〈物語〉シリーズ』でのお弁当など様々なものがありました。ですがそのどれもメシが主題ではないためかどれも食欲をそそられなかったのです。その時はまぁ主題じゃないし、と諦めに似た感情もありましたが『幸腹』はそれを主題にしている作品です。

 新房監督と鈴木さんの対談によると料理アニメは作画と色彩、脚本が出来を左右すると言っています。考えてみると、『幸腹』は作画レベルはいつものシャフト、色彩がややテカり気味な感じ、脚本は岡田麿里といえど正直微妙です――面白いか面白くないかでは前者に軍配が上がりますが、声を大にして言えるほどではないのも確か。新房監督が料理アニメに挑んだ『幸腹』が、新房監督自身もこのポイントが重要と考えていてもダメだった、というのは由々しき事態、というかシャフトってもうダメなんじゃねぇの?と考えてしまいます。いくら美味しそうなアニメを作りたいと言っても美味しそうじゃないんですもん……。

 思えば『銀の匙 Silver Spoon』でも食欲そそられませんでしたし、アニメで料理を描くのはHDになって作画レベルが向上してからはキツくなったのかもしれません。『銀の匙』は作画も脚本もそれなりに良かったですけど、豚丼喰いたい、と原作ほど思わなかったので……。

 春からは少年ジャンプ連載の漫画を原作とした『食戟のソーマ』が始まりますが、原作読者的にもこっちは食欲そそられるのか期待しています。

新房語

新房語

*1:出典:新房昭之『新房語』一迅社、2012年、190P