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拷問とSMプレイは非なるものであるのに――映画『ちょっとかわいいアイアンメイデン』

 本作は名門女学院である聖アネスティ学園に存在する拷問部を舞台に生徒たちの鍛錬と絡みを描く、深見真が原作を担当し、α・アルフライラが作画した『ヤングエース』に連載中の同名漫画を原作とした映画作品です。深見さんが共同脚本を担当した『劇場版 PSYCHO-PASS』が面白かったので、深見さん関連の映像作品として手に取りました。

 僕はもともと深見真、もとい原作漫画のファンですので、実写化することをただでさえ危惧していたわけですが、実際観てみるとホント酷かったです。原作漫画はギャグ4コマですし、かわいらしいキャラクターなので結構拷問のハードなイメージは無いんですが、これはただの拷問系のアダルトビデオにしかなってません。直接的描写を映してないだけ(といっても下半身の局部を映さないだけなんですが)で、結構露骨過ぎるのでアダルトビデオになっているとしか言えないと言うか。パンツにエロスなんて感じないし、膣、尿といったワードは頻繁に出るし……。主人公の変態さ加減に拍車が掛かっていて、原作の百合好きオタク少女のイメージが消え失せています。というかオタクという設定は語られることすらありませんでしたね。
 まぁ、原作漫画とは異なるメディアなので、メディアの違いを理解する必要があるでしょうから、別物として考えてみますが、グラビアアイドルが演じるキャラクターの拷問シーンは妖美さや艶美さは皆無で、即物的なアダルティックな映像が創られています。低予算な創りと物語が相まってこれまた僕の苦手な系統の即物的作品に構成されておりました。原作のストーリーをなぞりながらも、実写化による拷問スパークリングの可視化とキャラクターのリアル化がこんなにキツイとは思いもせず……。
 原作漫画と比較して言うと、主人公の武藤結月ちゃんはかわいらしい女の子だったんですが、実写化に際して全裸はもちろん、自慰シーン解禁。合わせて恥毛まで映りますからコレジャナイ感が素晴らしいものになっております。出演女優たちの情報をググりましたが、ソフマップの撮影会に出たことがある人ということでして、ガチのグラビアアイドルらしいのでまぁ演技力もご察しでしたが基本的にアダルトビデオの域を超えていないと思います。
 ただ結月役の木嶋のりこさんは渡辺○友さん、舟木碧生役の吉住はるなさんは戸○遥さんに似ていて個人的には合っていたとまでは言えないものの原作と別物として考えた上でキャラクターはきちんと作り込まれていたかな、と……。碧生先輩への拷問シーンの「失礼します!」は良かったですね、だんだん強くなっていく結月ちゃんの存在を感じられます。あとの2人はまぁ、うん、僕の趣味ではない……。尻にキスとかありえねぇよ……。こんなに珍しく貶してますけど、強くなってからの結月ちゃんはまぁ、面白いですし原作とは異なりますけど、アリだとは思えて来まして、総合的に観れば良かったのかなぁ、ただ原作漫画と別物として観る必要がありますね。あと重要な点として、尋問のための行為である拷問と、快楽のためのマゾヒズムに対するSMプレイは一緒にしてはならないと個人的に思っているので、その個人的心情を抜きにすればアリなのかもしれません。
 KADOKAWAはこれと合わせて『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』も実写化しましたが、別物として観る必要があります。これを観て確信したのは、『PSYCHO-PASS』の実写版を撮るなら拷問シーンは出来るだけライトにして過度ないやらしさもとい艶美さを演出する必要はない、ということですかね……。
 映画としての内容は原作漫画から程遠いものになっていまして、あの結末は正直どうなのかと思います。しかし、総合的に観たときにはラストに向かう百合シーンはそれなりに楽しめたので、アダルトビデオやイメージビデオとしては及第点な出来だったのではないでしょうか。総合評価としては、そんな感じです。『PSYCHO-PASS』ファンにオススメは致しません。

  原作漫画はオススメです。