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リアルな虚構と想定された未来ーー押井守監督作品『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』

過去に柘植行人が起こした事件から十数年間が経ち、特車二課も三代目に代替わりしていた。彼らが慰安旅行をしていた最中、東京では柘植の思想を受け継ぐものたちが自衛隊のヘリ・グレイゴーストを乗っ取り、レインボーブリッジを爆破した。そこで特車二課は先代から続く伝統を守るかのように独断で捜査を開始。グレイゴーストを操るグループを突き止めるが。東京都民が人質に取られる状況を作り出したテロリストにイングラム/特車二課が立ち向かう。
僕は『機動警察パトレイバー2 the movie』が好きで、あのような想定未来モノこそアニメたる意味があると感じていたんです。とはいえ、それが『THE NEXT GENERATION パトレイバー』エピソードシリーズが開始した際に現実のものとなった。厳密にはイングラムとかリアルだと胡散臭いんだけど、実際に作り、デッキアップイベントを行っていく過程でリアルに浸透してしまった。虚構が現実を飲み込んでしまったんです。とはいえ、お台場のガンダムは飲み込むまではいかなかったわけで、そこはストーリーが現実に侵入できるリアルさがあったからに他なりません。
で、本作。アニメ『2 the movie』の延長として実写の本作が構成されていますし、パトレイバーの真の完結とも読み取れる構成に。どのキャラクターも過去作品のイメージもありつつも新たなキャラクターとして演じられていてすんなりその世界観に入れました。押井監督は女たちが戦う映画、と表現していましたが僕としてはこの閉塞した世の中に風穴を開ける境遇の違う女たちの物語で、野明であったり灰原は自らの正義を貫き、その放った銃弾で閉塞から解こうとした。そこには旧時代のイングラムなのか新機体のグレイゴーストなのかの違いだけしかなくて、結局は閉塞した世の中に風穴を開ける映画なんです。既得権益にしがみ付いている奴らに対して恐怖を与え、何もない特車二課ががんばる話。基本構成は昔から変わらない押井映画です。
リアルを感じらる、まさに明日の未来を想定した素晴らしいフィルム。劇場で観る価値のある作品ですので是非観て頂きたい作品でした。