絶対ヒロイン主義と未来からの使者の告げるモノ――『劇場版 仮面ライダードライブ SUPRISE FUTURE』

市民を守るため、今日も戦い続ける仮面ライダードライブこと泊進ノ介の前に、彼を“父さん”と呼ぶ青年が現れる。その青年の名は、泊エイジ。未来からやって来たエイジの目的は、父・進ノ介への警告だった。2015年8月5日、進ノ介を仮面ライダードライブに変身させるドライブドライバーが暴走を始め、それがきっかけで1年後にはロイミュードが世界を征服するというのだ。にわかには信じられない進ノ介だったが、エイジの予言は的中。異常が発生したドライブドライバーが大規模な破壊行為を始めたことから、仮面ライダードライブは全国指名手配犯となってしまう。

(映画公式サイトより)

 

 「仮面ライダードライブは正義ではない」という予告編のセリフに惹かれて、TVシリーズを1話も観ていないのに劇場版を観て来ました。幼少期に特撮にハマらなかったこともあり、今回が初めての劇場版仮面ライダーであり劇場版スーパー戦隊シリーズと相成りました。
 さて、今回の『劇場版仮面ライダードライブ SUPRISE FUTURE』では未来から主人公の息子を名乗る青年が未来を改変するためにやって来ます。冒頭から同時上映の『手裏剣戦隊ニンニンジャー THE MOVIE 恐竜殿さまアッパレ忍法帖‼︎』に比べてゲスト出演の芸人の配置が上手いなぁと思いつつ、未見の人間でも入り込めるオープニングアバン。正義と悪がきちんと対比して描かれてから、今回の話のキーマンとなるキャラを出す、という分かりやすい造りでスクリーンに引き込まれました。
 ネタバレと断りながら言ってしまえば、SF刑事ドラマとしては王道テンプレを行く流れですし、内田理央さんの可愛さ目当てに行っていた節もあるので結構好きな作品でした。もう結末からし内田理央さん演じる霧子の正妻っぷりを観る作品でしょ、これ!未来から泊エイジ(まぁロイミュード108でしたが、未来で戦っていたので産まれたことは確か)が来た時点で泊は霧子と結婚した未来があるというわけで。羨ましい。
 本筋に戻ると、ある意味最強の敵からベルトを壊してしまった状態から勝つ、という展開で凄く滾ったんですよ。ベタなんだけど、ここまで気を衒わずにSF刑事青春アクションをやるのか、という感じで。特撮を舐めていたのか、と言われると「だってその前のニンニンジャーがさ……」なんですが。あ、スターニンジャのキャラ付けは好きでしたよ、うん。

だって二人の未来も一蓮托生――『脳漿炸裂ガール』

小さな頃から憧れていたお嬢様学校・聖アルテミス女学院に入学した市位ハナは、教室で目を覚ますとクラスメイトと一緒に檻に閉じ込められていた。そこで突然、携帯電話を使った謎のゲーム「黄金卵の就職活動」が始まるが、それは脱落すると脳漿が炸裂するという生死をかけたサバイバルゲームだった。ハナは同級生の稲沢はなと一緒に勝ち進んでいくが……(公式サイト作品紹介より)


 ボーカロイド楽曲→小説→実写映画という流れのメディアミックス、「たぶん元々のファン行かないやん」感凄かったので原曲を聴いたことすら無い人間が観に行きました。で、結論として「それなりに面白いから辛い」という感じでして。まぁ、ハードル下げていたのは否めないですけど。
 僕が昔からバディもの大好きというのがありまして「一連托生」とかそういうセリフに惹かれるんですよ。しかもそれがお嬢様学校を舞台にしたデスゲームの最中行なわれる!デスゲームものはリア充が読み/観まくってるから率先して褒める気は無かったけど、これは良いぞ!デスゲーム×バディもの×百合に加えて、敗者は死ぬのではなく脳漿を撃ち抜くことで下僕にすることができる!薄い本が厚くなる設定だと思いました、スミマセン。
 で、本筋。スマホをクイズの配信ツールとして使用はしてますが、ネットの絆なんて現実(または圏外)の前では無意味な訳で、第8問の嫉妬し合いはそこを見事に描いていました。志田友美さんがこんなキャラをという若干のドルオタ感はあるにせよ、あのキャストとキャラクターが妙にマッチしていていい意味で等身大の女子高生だったなと思います。そもそもあんなデスゲームに巻き込まれたら強い精神力無いと辛いですけどね。そこはフィクションフィクション。
 あと、ラストのアジトに乗り込むシーンは真面目に最高でしたね。出来たら続編観たいけどどうだろうか?

キミは聞こえる?ボクのこの声が――『冴えない彼女の育てかた』Blu-ray&DVD第7巻

 遂に来てしまいましたこの瞬間が……! 『冴えない彼女の育てかたBlu-ray&DVD第7巻=第1期最終巻の発売です! 待ちわびていたけど案外半年って短いもので、いつのまにかノイタミナファンから冴えカノクラスタの方へシフトしていたり、「英梨々かわいいよ英梨々」とか「沙織は嫁」とか「#深夜の恋メト真由祭り」とかやるようになっています。あ、僕が編集した『PRANK! Vol.1 ノイタミナ10周年評論集』でも「冴えないアニメの論じかた」という冴えカノ論書いてますよ、よろしゅうよろしゅう。

 で、話を戻しますと第7巻。深崎暮人描き下ろしジャケットに凝りに凝った外装箱、icy tailの名曲「Cherish you」と「空色デイズ」CD、丸戸史明書き下ろし小説「かくて物語は終わり、友情が始まる」、そして伝説の「柏木エリ描きおろしイラスト額装「キャラファイングラフ」」用に深崎暮人が描き下ろしたイラスト(ちょっとしたシカケがあるんですが)が付いてくるんですよお買い得すぎませんかこれアニプレックスの本気か、引くなっ! ファンとしてはとても嬉しいものです、本当に、本当に……。

 今回は美智留回Part2・3という3/26深夜放送の1時間SPを収録しております。もう滾るライブですよ、ライブ! みっちゃんが生き生きしていてホント可愛いです。英梨々も相変わらずポンコツっぷりを見せつけてくれます。かわええかわええ。まぁ本編に関しては上記の過去記事より。

 なお今回は第11話コメンタリーは松岡くん、安野さん、丸戸さん、深崎さんといういつもの感じですが、第12話はキャストコメンタリーとスタッフコメンタリーの2種類が! 特に後者は「誰がアニメ化企画を立ち上げたのか」や「ノイタミナでやった理由」が明かされて抱腹絶倒の内容でした。そうだよこういうのを求めてるんですよ、というか僕の読みはほぼほぼ間違ってなかった、やっぱりじゃないかフジテレビさんよ! ありがとうございますありがとうございます……。

 というより何より短編小説とイラストですよ。この先の物語を知っているのも大きいですが僕は涙流しながら悶えましたよ! これは(いい意味で)酷い! 今までの言及されないでいた伏線がすべて線になって繋がってしまう! このまま第1巻収録の短編小説と第0話にもリンクして……。これは完結まで死ねないですね、いや、真面目に……。

 まぁ、まだ冴えカノは終わっていません。続編という希望があります! それが第5巻以降のストーリーなのか、はたまた『恋するメトロノーム』で真由が登場するのか……あ、恋メトがアニメ化したら基本的に真由のことしか考えなくなると思います、ハイ。

 さてはて、こんな感じで『冴えない彼女の育てかたBlu-ray&DVDマラソンもいったん終了です。次はどんな冴えカノになるのか? そのときまで〝コバルトに染ま〟ってお待ちしております丸戸先生!

PRANK! Vol.2 電撃文庫アニメ特集 原稿募集

 こんにちは、羽海野渉です。夏コミお疲れさまでした。1日目や2日目に『PRANK! Vol.1 ノイタミナ10周年評論集』を購入してくださった方々ありがとうございました。おかげさまでノイタミナ10周年に対する気持ちを昇華することができまして、もう燃え尽き症候群に苛まれそうです。

 しかし、Vol.1が予想以上に好評だったのと、ちょっと消化しなければいけない義務感を感じたテーマがあったのでVol.2を冬コミに向けて企画してみました。そして、今回は依頼原稿だけではなく、募集もしたいと思います。

 以下、要項です。ぼしゅーよーこー(CV:渕上舞)。

 

『PRANK! Vol.2 電撃文庫アニメ評論集』原稿募集要項

内容:電撃文庫からアニメ化された作品を起点とした評論・エッセイの原稿。また、これからアニメ化してほしい作品の評論・エッセイの原稿。

(例:灼眼のシャナ=可。青春ブタ野郎はバニーテール先輩の夢を見ない=可。アラタなるセカイ=可。ビブリア古書堂の事件手帖メディアワークス文庫は不可。図書館戦争=電撃の単行本は可。ラブライブ!Charlotte=G'sマガジン作品は不可。ただし不可の場合も他電撃作品がメインなら可とする場合もある)

装丁:A5サイズ、上下2段組(本文2段+脚注欄)

文字数:3500文字以上、上限ナシ。自己紹介は150文字以上、上限ナシ。

原稿〆切:10月11日(日曜日)

送り先:羽海野渉 voising_anotherlife@yahoo.co.jp

献本:1冊になります。掲載料は申し訳ありませんがありません。

校正:編集側で行い、内容・漢字の加筆修正などをメール返送やSkypeでの形でさせていただきます。また、脚注も使用して頂いて構いません。ですます調は統一で、できるだけ平坦に分かりやすく、数える(第1話や2人など)場合の数字は半角数字で、それ以外は漢数字でお願いします。

形式:Wordファイルまたはテキストファイル。

その他:参加希望がありましたら前もって作品タイトルとその旨をメールかTwitterのリプライ、DMでくださると幸いです。

 

 ということで電撃文庫アニメ特集です。初めてのアニメ化より丸20周年! そんな電撃文庫作品を起点にした原稿、お待ちしております! ひとまず『デュラララ×2!! 転』までを想定していますが、『ヘビーオブジェクト』も『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』でも大丈夫ですよ! 特に川原礫に特化した原稿でも、『魔法科高校の劣等生』から連なるなろう系もとい俺TUEEE作品原稿でも大丈夫です! よろしくお願いします!

コミックマーケット88おしながき ~ノイタミナ評論集、おあがりよ!~

 表題に他意はない。どうも、ご無沙汰しております、羽海野渉です。

 さて、来たる8月14~16日、東京ビッグサイトにてコミックマーケット88が開催されます。僕も2日目に「LandScape+」というサークルとして参加致します。実は自分のサークルとして出るのはこんなに色々やってるのに初めてなんだぜ……? ということで今回も色んなサークルさんの諸々に参加しておりますのでその「おしながき」を書いておきまする……皆様、よろしゅうよろしゅう。

 

  • LandScape plus(2日目 東ハ53a)

PRANK! Vol.1 ノイタミナ10周年評論集

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 遂にノイタミナ評論集を作ってしまいました(既に出涸らし)。ってことでハチクロから冴えカノまでのノイタミナ作品評論集です。編集長と称して色んな人の助けを借りながら作りました。自分もコラムやガイドや図書館戦争や冴えカノなど書いてます。作者名書いてない部分あったら僕だと思っていただければ大体間違っていないと思います。1部800円です。表紙は後述の『ダテヨロズ』でご一緒になったむっくさん。可憐なイラストで彩っていただきました。なお、1日目のアニメクリティーク刊行会さん(東フ36a)などでも委託しておりますので是非是非ー。

ミライに向かって!(既刊)

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 『SHIROBAKO』前半終了時点での二次創作になります。もしかしたら齟齬も発生するかも、と思っていたら奇跡的にすり抜けた一冊。勿論誤植は直して、あと一部の作品名も直したりしております。ってかむしろ何故書いている最中にそっちにしなかったんすかねぇ……。あ、据え置き100円のコピー本です。

 

・ダテヨロズ1.5

 1月に刊行された石ダテコー太郎監督作品半公式アンソロジーの加筆版です。といってもあまり僕は加筆をしてないんですけど……。〆切の時は『キュートランスフォーマー』が放送されてなかったんですけど放送が終了しましたのでそこのあたりも期待ですね。コミケでは初頒布ですので皆様ぜひ!

 

  • xinoro(3日目 東S45a)

巫女学校物語 ~楓編~

 企画という名のストーリー原案をやっております。ちなみに既にplaystation vita(playstation mobile)で配信されていたのでプレイされた方もいると思うのですが、僕は初期プロットとアイデア出し、シリーズ新キャラクターの多田羅亜美ちゃんと九十九由美ちゃんのキャラクター設定もました。頑張ったよ! ってことでよろしくお願いします。

Run Eririn Run!/みんな アイシテルよ!――『冴えない彼女の育てかた』Blu-ray&DVD第6巻

 えりりんかわいいよえりりん。ミッチーもかわいいよ。深崎暮人先生描き下ろしジャケットの美智留も出るところ出て、引っ込むところ引っ込んでいて凄くかわいいんですよ。でも、それより語るべきなのはそう、裏面のぽんこつえりりん! ってかその左上の恵さん引いてないかい……?

 早いものでもう『冴えない彼女の育てかたBlu-ray&DVDシリーズも第6巻です。特典とかはいつもと同じく、ギャルゲーカバーソングとミニサウンドトラックが収録されたCDと、描き下ろしジャケット、丸戸史明書き下ろし小説、オーディオコメンタリーなど。今巻に収録されているエピソードは第9話「八年ぶりの個別ルート」と第10話「思い出とテコ入れのメロディ」になります。これ本放送で観ていたころは凄く脳が蕩けていた頃ですね。もうえりりんかわいいよえりりんしか言ってない。

 英梨々編(原作第3巻相当)が終結し、続いてアニメ第1期最終エピソード・美智留編へ。もうこの流れが最高に愛おしい。本放送の時は結構叩かれていたんですけど、美智留はいいヒロインですよまったく。ノーブラ最高! あと、パンツのタグはキャラクターデザイン・総作画監督高瀬智章さんのこだわりだそうで……ありがとうございます! 詳しい話はオーディオコメンタリーで深崎さんが語っていたので本当にありがたい……こういう話を聞きたいんですよ僕は! ちなみに僕は腋フェチなので美智留の某カットは本当においしゅうございました。

 ところで、丸戸さん書き下ろし小説の「大切な友、大切なトモ」、時乃・叡智佳・藍子の3人が凄くかわいいんですけど! なんですかこれは! もうああいう女の子とお近づきになりたいっすね、まったく……。

  さて、もう残すところ1巻となりました。ということはもう来月にはボックスと特典タペストリーが手に入る……?

 

 ちなみに、夏コミ新刊として僕のサークル・LandScape plusから出す『PRANK! Vol.1 ノイタミナ10周年評論集』の中でも「冴えないアニメの論じかた」というものを書いております。冴えないのはアニメじゃなくて論考の方、ということでよろしくお願いします。2日目の東ハー53aです。

丸戸史明は問う、眩しい未来の行方を――『CLASSROOM☆CRISIS』第1話「遅れてきた転校生」

脚本:丸戸史明 絵コンテ:長崎健司 演出:塚田拓郎、大久保朋 作画監督石野聡

新たな仲間を迎えようとする、ある日のA-TEC。しかし、火星へ向かう途上で転校生が誘拐されてしまう事件が発生。この難局を乗り切れるのは自分たちだけだと判断した室長の瀬良カイトは、A-TECのメンバーたちと共に前代未聞の救出作戦に乗り出す。
しかし、遂に姿を現した転校生・霧羽ナギサの正体は、実は自分たちの上司だった。ナギサはA-TECがこのまま高コストのお荷物部署であり続けるようならばメンバーをリストラし、部署を解散させると宣告する――。

公式サイトより

 ネタバレ注意につき、未見者は公式配信を観るのです。騙されたと思ってみんな観て下さい。ほら、ほら。

 丸戸史明脚本のオリジナルアニメ作品『CLASSROOM☆CRISIS』。第1話が遂に放送されました。宇宙モノでありながら、会社モノ。この混ざらなそうなテーマをいかに仕上げてくるのか、と最速放送の裏番組をさて置いて、こちらをリアルタイム視聴しておりました。TwitterのTLはそっち一色だったけどな!

 さて、『C☆C』第1話はまさかの伏せられていた重要キャラクター=転校生・霧羽ナギサの登場と、怒涛の展開の連続! そうだよ、これがアニメなんだよ、と言わんばかりに火星に位置する第四東京都に住まう少年少女と会社員たちが自らの信じた方向に進んでゆく。そして最初の波乱に、アクション! キャラクター造形も丸戸主人公っぽくもあり、新しい。ただただ茫然と30分の時を過ごしました。

 放送が始まる前は『ROBOTICS;NOTES』っぽくなるのかなぁ、と思ったら真面目にSF要素を入れており、単純にロケットを作るだけではない! そのロケットのためには百数十億のお金が掛かっており、そのお金は会社の中でも無視できない金額であるという経済的側面……。これまでの普遍的アニメ作品ではロボットやロケットを作ることは多々あれど、お金にまで言及する作品はあまり無かったので、今作は結構リアル路線でありながらSF要素をブチ込んでくる(あれ、ロボノも金銭問題あったよね?)。

 で、ラストシーンでナギサがこのチームを解体する監査役としてやってきたことが明かされます。まだ色々謎もありますし、不明な点が多々ありますが、これからどうやって進んでいくのか、数十人いるキャラクターをどうやって掘り下げてくるのか、期待したいと思います。まぁ、最初の課題はロボノとの差別化かなぁ。

 以上、『株式会社小澤亜李』第0回を聴きながら、お送りしました。

Classroom☆Crisis クリアファイル デザインA

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