芸能人の声優起用について――『パワーレンジャー』などの実例とともに

 映画をよく観に行くと、洋画やアニメ映画では本職でない声優、芸能人や文化人が演じていることが多々あります。最近ホットなタイトルだと『パワーレンジャー』の勝地涼広瀬アリス、『夜は短し歩けよ乙女』の星野源秋山竜次の起用などですね。これらの起用は映画ファンの大半から炎上しています。では、何故炎上するのか。

 それは偏に「下手な演技で作品を汚されなくない/ノイズをつけないでほしい」からです。どんなに面白い作品でも下手な演技をされていては興覚めですからね。ですが、興行会社は非情なことに、芸能人や文化人を起用し続けます。それは何故かといえば、僕のように映画をコンスタントに月1本以上観に行く人や原作ファンは「放って置いても劇場に足を運ぶ人」だからです。下の画像を参照して頂きたいのですが、観に行く人はとことん観に行きますが、1年に1本も観ない人が大半なのです。ならば、興行会社もその「1年に1本も観ない層」を狙って宣伝を打ちます。その結果が一般的知名度のある芸能人・文化人の起用なのです。

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  この記事は「芸能人・文化人の起用はやめてくれ」と言うものではありません。『パシフィック・リム』や『ゴースト・イン・ザ・シェル』みたいに本職声優で固めてくれと言うわけでもないです*1。では、何が言いたいのか。

 せめて、声の演技が上手い芸能人・文化人を起用してくれ。

 そういうことです。起用さえしてくだされば、「一般層にも波及できる」「映画ファンも楽しめる」でWin-Winじゃないですか。その観点で行けば、『パワーレンジャー』のキャスティングは『UN-GO』『劇場版機動戦士ガンダム00』の勝地さんは安心ですね。広瀬(姉)さんの方は、特撮経験劇場1本だけなので、若干怖い節がありますが、パワレンどうせ観に行くので大丈夫です東映さん、楽しみにしてますよ! 『夜は短し歩けよ乙女』のキャスティングも、星野さんの童貞臭い演技が『聖☆おにいさん』よりもマッチしますし、秋山さんも『劇場版ポケットモンスター』よりキャラクターを発揮できると思いますので、楽しみです。

 思い返せば、『トイストーリー』や『モンスターズインク』のように(どっちもディズニーだな)、芸能人・文化人キャストのキャラクターがアニメと合致したいい映画があるのです。シュワルツネッガーといえば玄田哲章といった吹替えもそうですが、キャラクターと元素材が合致しないことには良いものは生まれません。元素材と完璧に合っていないのに売れた映画がこれまであったでしょうか。え? 『風立ちぬ』? 庵野秀明の起用話したときの会議室、宮崎駿監督以外沈黙していたでしょそういうことだよ

 これからも『レゴ バットマン ザ・ムービー』など、明らかにムリのあるキャスティングをした映画は連発されることでしょう。興業会社さん。お願いします。上手いキャストを起用してください。『君の名は。』の神木隆之介くんほどとは言わないですから(とはいえ、肝心なのは映画自体の面白さですけどね)。

 

 以下、雑文です。

 個人的にこの芸能人・文化人を起用すれば「話題性」もあり、「演技力」も申し分のない方たちを羅列していきます。

*1:前者はケンドーコバヤシが、後者はそもそもビートたけしが出ているわけですが